辰巳蒸留所

2017/4/18

その他


まちやど管理人 せい子です。

郡上八幡でゲストハウスをやってます。

郡上に来るきっかけ、ゲストハウスを開業した経緯は
ココロココさん http://cocolococo.jp/2283
全労済さん http://www.zenrosai.coop/stories/kurashi/challenge/21.html
にて取材してもらった記事がありますので、ご興味のある方はどうぞ。

 

 

今日の郡上八幡は、昨日の大雨とはうってかわって、

初夏を思わせるほど太陽がまぶしい

キラキラした1日でした。

 

そんな晴れた日、

郡上八幡の街はずれのとある工場跡地で

バーを併設した蒸留所がオープンに向けて準備中とのことで、

ちょっと見学に行ってきました。

 

オープン予定の蒸留所については、こちら

 

蒸留所をオープンする辰巳くんとはご縁があります。

 

ちょうど昨年の今頃、

蒸留所開業に理想の土地を探して郡上を視察に来ていた彼が

まちやどに泊まりに来たのが初めての出会い。

 

その時は、一人の宿泊者として、

そして、よくある

「なんとなく郡上に移住したいんです系男子」

だと思い、さらりとお話ししただけでしたが、

 

 

その数日後、当時私がまちやどと副業していた

移住相談のお仕事 ふるさと郡上会 の事務所へ

彼が住居の相談に来たんですね。

 

その際に、彼のお酒造りに対する

燃えたぎる情熱と熱意をどっぷりと聞かせていただき

情熱だけではなく、

酒造りのためにしっかりと実績と経験を

重ねてきている人だということも知りました。

 

そんな彼が、ここ郡上八幡にしばらく拠点を置いて、

理想とする蒸留所の開業準備拠点として

住まいを探していると。

 

ご存知の通り、郡上八幡は空家はたくさんありますが

まだまだ、よそから来た郡上に身寄りもない若者が

「来月から住ませてください」

といってすぐに家を借りられる状況ではないんです。

 

不動産屋さんを通して借りれる物件がないことはないですが

単身者用の物件はほとんどなく、

契約金で初期費用もかなりかかるし、

毎月の家賃負担も、単身者にはかなり厳しい現状。

 

 

私自身、これまで郡上での家探しで散々苦労した経験があるので、

「どんなに情熱があっても、現実はなかなか。。。」

 

今までの移住相談の仕事やまちやどを通して

「郡上に住みたいんです!」

という人は何人も見てきましたが

どんなに想いがあっても、

ご縁がつながらないことには

どうにもならない土地なんですよね、ここ郡上は。

 

 

移住相談のお仕事では、

郡上移住についての暮らしや空家についての情報提供のみで、

相談者に対して住まいの斡旋はしていなくて

というか、そもそも斡旋する物件は(当時の八幡には)ほとんどない状態。。。

 

 

とはいえ、郡上に拠点がない彼が

打ち合わせや準備のために

遠方から何度も何度も郡上に足を運ぶのは大変

かといって、

蒸留所の物件交渉、酒造の許可、開業費用などなど

あらゆるハードルを全てクリアして

開業できる保証はどこにもないので

じっくり腰を据えて、郡上で働きながら開業準備を進めたい。

でも、未知の可能性にかけて、

不動産屋を通して、多額の契約金を払って住まいを契約するには

まだ郡上で仕事も決まっていない彼にはリスクが大きすぎる

 

 

仕事が決まらないと家が。。。

家が決まらないと仕事が。。。

 

 

あああ、

 

まるで、6年前の自分を見ているようでした。。。

ただひとつ違ったのは

彼に揺るぎない情熱と目標があったということ。

 

 

当時、たまたま私は

これまで住んでいたまちやど前のお家(2階のみ使用)から

足腰が悪い母が郡上に来た時に一緒に暮らせるようにと

まちやど裏の一軒家に引っ越す予定でした。

 

「そこにしばらく住ませてあげてもいいかな。。。」

 

そんな考えがふとよぎりましたが、

正直なところ

私が6年前に同じような境遇でどれだけ辛い思いをしたことか

今、彼に譲ろうとしている家を見つけるまでも

どれだけの時間と労力を要したことか。。。

そんなことを思うと、癪でもありました

 

でも結局、

彼の情熱に心が動かされました。

 

気がついたら、私が引っ越す予定だった家に

彼が住んでいいかどうか、大家さんに確認の電話をかけていました。

 

彼が蒸留所予定地の目処がつくまで、3ヶ月限定。

3ヶ月でこの先の縁がつながらなければ、

やっぱりこの土地にはご縁ななかったのだろと。

 

結局、大家さんの了承は得られましたが、

ゴールデンウィーク中は引っ越しできないということで

その間は、住み込みでまちやどを手伝ってもらい、

その後は、まちやどご贔屓のこぼこぼさんで働きながら

腰を据えて蒸留所計画を進めらることになりました。

 

まあ、彼のことですから、

例えば私が住居の手助けをしなくても

周りの誰かが彼の情熱に動かされて助けてくれたでしょうし、

なんとかならなくてもする方法を

自分で探し出す力のある人ですけどね。

 

蒸留所予定地の契約も順調に進み、

自身の家も理想的な場所に見つけ

そして、この1年で着々と準備を進め、

間もなく開業を迎えようとしている辰巳蒸留所。

 

 

こんなに真直ぐに、自分のやりたいことに向かう人は

今まで出会ったことがありませんでしたが

本当に情熱を持って進む人には道は開けるし

人は心を動かされ、自然と協力したくなるのでしょうね。

 

これまで、彼と彼に関わる人々を見ていて、

情熱が人を動かすということを

目の当たりにした1年でした。

 

辰巳蒸留所

彼のこだわりのつまった

とっても素敵な場所になることでしょう。

 

 

IMG_9294

写真は、本日蒸留所予定地の建物にあった

個性的なスピーカー。

 

お酒のラベルを使ってオリジナルで作ってもらったそうです。