「宿業」について考えてみる

2017/11/5

イベント


まちやど管理人 せい子です。

 

日本や海外で住み込みやハウスシェアなど、

様々なくらし方、働き方を経験して、

生まれ故郷の青森から、東京、イギリス、沖縄を経て

2010年より岐阜県郡上市に移住しました。

 

2014年に郡上八幡でゲストハウスを開業。

まちやど活動を通して、都会と地方、家族の枠を超えて、

それぞれが生きたい場所、暮らしたい場所で

自分らしく生きられる社会を目指して日々活動しています。

まちやど管理人 木村せい子のプロフィールは こちら

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

先日開催した

まちやど的シェアハウス・ゲウストハウスの始め方講座

無事終了しました!

 

今回は遠路はるばる

東京、福井、富山、兵庫、愛知、下呂から8名の参加。

高齢者に対するシェアハウス事業を考えていらっしゃる方
地域おこしとして農家民泊を開業準備中の方
郡上のおばあちゃんの家でゲストハウス開業を考えている孫ターン希望の方
ゲストハウスを訪れるのが好きで、いつか自分で開業したいと思っている方

などなど。

 

皆さん目的意識の高い方ばかりでしたが、

メディアが発信するゲストハウスのイメージや

自分が宿泊して楽しかった!など

表面的なプラスの部分しか見えていない方がほとんど。

「楽しい」を原動力に動くのは大事なこと。

実際に、ゲストハウスの運営は楽しいこともたくさんある。

だけど、もちろん楽しいことばっかりじゃない!

 

私がゲストハウスをやろうと思ったきっかけ、

そして、開業から4年経って見て感じること。

一人でゲストハウス運営するということの現実、実態を

赤裸々にお話しさせていただいて、

これからの皆さんの参考にしていただきたい。

そして、最近いろんなところでよく聞く「民泊」というものに対して

きちんと正しい知識を知って欲しい。

そんな思いで開催しました。

 

・プラスの面しか見えなかったところが、現実の話が聞けてよかった。
・ゲストハウスブームの中、ただその流れに乗るのではなく、どこが抑えどころなのか大切なのか聞けて、ハウツー本を読むより濃い知識が得られ大変満足しました!

などの感想をいただきました。

話を聞くだけでなく、

同じ目的、共通の価値観を持った人が集まることで

新しい発見ができたり、自分自身の確認作業ができたり

そういう場と時間が貴重なんじゃないかな?

って思います。

 

セミナー後、みんなで記念撮影。
いろんな年代が集まって、まるで家族写真のよう。

IMG_0433

 

そして、交流会

IMG_0436

 

 

そんなセミナーなんかを開催しているまちやどですが

実は、夏の繁忙期が終わり

9月10月は去年に比べて稼働率はガタ落ち

昨年の秋の売り上げの半分を占めていた外国人の利用も

今年はほとんどありません。

 

この春にシフトチェンジしたことだけではなく

郡上八幡に新たなゲストハウスができたのも

大きな理由の一つだと思います。

まちやどより安くて綺麗で設備が整った宿があったら

誰だってそっちを選びます。私もそうすると思います。

そんな中、「まちやどだから泊まりたい」って

選んで泊まりに来てくださるゲストさんは本当に尊い存在。

ゲストとオーナーではなく、まさに シェアメイト ですね。

 

 

今回のセミナーで資料を作成するにあたって

私自身も

「どうして郡上に来たの?」

「どうしてゲストハウスを開業しようと思ったの?」

なんども聞かれ、そして自分自身に何度も問いかけたその答えを

改めて確認する良いきっかけになりました。

 

私がやりたいのは

観光客の宿泊施設のゲストハウス(旅館業)

ではなくて

自分も含め、郡上に関わる人の拠点の宿泊施設(シェアハウス)

なんだよね ってこと。

幅広い人に合法的に使ってもらうためには旅館業の許可が必要だし

郡上八幡は観光の需要が多いから

必然的に観光目的の人が利用することが多くなるし

やっぱりビジネスとして運営を考えると

観光客や外国人の需要をどう伸ばしていくかがとっても大事。

 

開業したからには、ビジネスとして成功させなきゃ!

そんな思いで旅館業に重きを置いて運営していた去年までは

やっぱり楽しくなかった。

 

思い切ってシフトチェンジした今年の春からは

同じ感覚の人が集まってくるから、一緒に過ごしてて楽しいし

体力的にも精神的にも、前よりずっと楽にできてる。

けど、それがビジネスとしてきちんとやっていけるのか

自分が生活していけるだけの収入が得られるかというと

そこはまた別問題なんですね。。。

 

今回改めて確認する時間を持てて、結局

今のまちやどの形で自分が実現したい場づくりができてれば

仕事(収入)はゲストハウスに限定する必要ないじゃん!って

宿が暇なら、空いた時間に別の収入が得られればいいじゃん!

って、吹っ切れました。

 

今の私に、ここ郡上で、何ができる?誰が必要としてる?

ふと浮かんだのが、前にも何度かお手伝いで行ったことのある魚虎さん。

郡上八幡で人気の鰻屋さんで、週末は11時の開店と同時に満席になり、

ランチタイムには行列ができる人気店。

忙しい時間帯が、ちょうど宿業の空き時間だし

これから冬に向けて閑散期ではあるものの

ランチタイムはやっぱりアルバイトが必要!って。

 

ということで、

この11月から、宿のチェックアウト後の11時から

ランチ営業が終わる3時ぐらいまでは魚虎さんで働いてます。

創業100年(ぐらい?)の老舗。

大将、女将さん、若女将、そして働く人たちもほとんど地元の人たち。

市外、県外からのゲストさんと過ごすまちやどとは対照的に

郡上弁が飛び交う厨房は、どっぷり八幡に浸かれて新鮮!

ご家族もとっても優しくて働きやすくて楽しいのです。

 

もちろん、まちやどの運営も今まで通り。

予約があるときは午後4時からチェックイン対応してます。

そして、さらに時間が空いた時には

友達がソムリエとして働く、いがわの小径そばにある古民家イタリアン雀の庵

女将えっちゃんの手料理が抜群に美味しくてカオスな客層のローカル居酒屋清代竹

時々お手伝いしてます。

そんなこんなで、ダブル、トリプル、クワドラプルワーク??

マルチワークとでもいいますか。。。

 

この冬も、郡上でなんとか生きていけそうです。